FAQ

1.プログラムについて 
2.入学試験
3.プログラムでの勉学:修士課程編
4.プログラムでの勉学:博士後期課程編
5.その他


1. プログラムについて

Q1 「人間の安全保障」プログラムとは何ですか。

東京大学大学院総合文化研究科では、「人間の安全保障」への学問的取り組みを研究・教育・連携という3機能を統合して進める計画(「人間の安全保障」イニシアティブ)を推進しています。その教育に係わる部分が「人間の安全保障」プログラムです。このプログラムには、修士課程と博士後期課程の両方があります。修了すると、修士(国際貢献)、博士(国際貢献)が授与されます。

Q2 このプログラムの目的を教えてください。

国際社会が必要としている「人間の安全保障」を追求する「人財」を養成することです。つまり、「人間の安全保障」の問題を深く理解し研究すると同時に、この問題に自ら関わっていく「人財」を育てることです。実務の経験や実務に関心がある人には理論や概念をもっと学んでもらい、学問の世界しか知らない人には現場を知ってもらい、現場からの発想を学んでもらいます。

Q3 どんな人にふさわしいプログラムなのでしょうか。

このプログラムが目指しているのは、「人間の安全保障」をめぐる現場と言葉をつなぐことです。現場を知っていてもそれを伝える言葉がないと個別の状況の外に出ることができませんし、他方、現場を知らないと言葉も上滑りしがちです。そのために、多様な経験を持つ人たちにはステップアップするための言葉を、そして、経験が乏しい人たちにはインターンを単位として認める場合もあるなど、現場への接点を提供することを目指しています。

Q4 このプログラムは社会人にも開かれているのですか。

社会人も積極的に受け入れます。平日の昼間だけでなく、6時限(18時から19時30分)や土曜日にも授業がありますし、集中講義も開講されます。ただし、夜間や週末に授業が集中するいわゆる「社会人大学院」ではありませんので、各自で仕事と大学院とが両立するように工夫してください。

Q5 「人間の安全保障」プログラムは独立した専攻ですか。

このプログラムは、東京大学大学院総合文化研究科の5専攻にまたがる教育プログラムです。「人間の安全保障」は現在のところ独立した一つの学問分野ではなく、今日の人類が直面している問題群を指しています。それに取り組むには、学際的なアプローチが必要です。したがって、独立専攻という組織は相応しくなく、むしろ、既存の複数の専攻を束ねるような新しい発想の組織が必要であると考えたのです。

Q6 学生がこのプログラムに参加する場合に、どこかの専攻に所属するのですか。

はい。プログラム自体は5専攻横断のプログラムですが、各学生は最も専門分野の近い専攻に所属します。「人間の安全保障」という問題群に対して、どの学問分野からアプローチするのかをはっきりさせる必要があるのです。

Q7 特定の学問分野を選択してどこかの専攻に所属するということと、このプログラムが学際的な特徴をもっていることと矛盾しませんか。

決して矛盾しません。「人間の安全保障」に取り組むには学際的なアプローチが不可欠ですが、個々の研究者や学生が専門性を持って取り組むことも不可欠です。学際性は、専門性を身につけた上でのことなのです。

Q8 各専攻の学問領域と「人間の安全保障」プログラムとはどのように関連しているのですか。

このプログラムに関与する教員はどこかの専攻に属して研究教育しています。その意味で、制度的にもカリキュラムの上でも各専攻の学問的特徴がプログラムに反映しています。

2. 入学試験

Q9 このプログラムに入学するにはどうすればよいのですか。

「人間の安全保障」プログラムで独自に入学試験を実施します。その入学試験を受験してください。

Q10 入学試験はどのような形式ですか。

プログラムとして独自に行います。大きく分けて、次の3種類です。

  • 修士課程社会人特別選抜:入学前年の夏に実施します。書類審査(一次)と口述試験(二次)で判定します。
  • 修士課程一般選抜:入学年1月から2月にかけて実施します。書類審査及び専門科目筆記試験(一次)と口述試験(二次)で判定します。
  • 博士後期課程:入学年1月から2月にかけて実施します。書類審査(一次)と口述試験(二次)で判定します。

なお、試験ごとに提出していただく書類が異なってきます。詳しくは募集要項を参照してください。

Q11 入学試験に社会人向けの特別枠はありますか。また、ここでの「社会人」は何を指すのですか。

はい、設けています。修士課程の社会人特別選抜は、7月から9月にかけて書類審査と面接による選抜が行われます。これは合格判定を早く知らせて4月からの入学に備えてもらうための措置です。

社会人枠は、当該出願者の社会人としての経験が、「人間の安全保障」と何らかの点で関連性を持ち、したがって、本プログラムに入学して研究に従事するにあたり、その経験が積極的な意義を持つような方を対象としたものです。社会人経験と「人間の安全保障」との関連性の有無については、あくまでも当該出願者の判断にゆだねられていますが、社会人枠を設定していることの趣旨が上述のものであることを十分に踏まえた上で、出願の際に判断していただければと思います。

Q12 外国語の試験はないのですか。

英語の能力を証明する書類(2年以内に受験したTOEFLまたはIELTSの成績)を提出していただきます。点数の下限などは設けず、合否判定する際に総合的に考慮します。

Q13 入学試験の際、東大生とそれ以外の区別はあるのでしょうか。

全くありません。これまでの大学院総合文化研究科の入試においても東大とその他の区別は設けていません。

Q14 今まで「人間の安全保障」に関する学問分野を学んできたわけではないのですが、受験可能ですか。

もちろん可能です。修士課程は「人間の安全保障」について基礎から学べるようにカリキュラムを作っています。修士号を持っている人でも、「人間の安全保障」と関係のない分野の場合には、博士後期課程ではなく修士課程への受験をお勧めします。

Q15 専攻に所属しつつプログラムの課題に取り組むということですが、研究計画書を作成する際に、所属することになる専攻をどの程度意識して書くべきでしょうか。

「人間の安全保障」について研究したい分野や方法を中心に書いてください。

Q16 所属する専攻はいつ決めるのですか。

出願時に、自分の専門や関心に最も近い専攻を選択してください。入学後は、自分の所属する専攻の教員が指導教員になりますから、どのような学問的な枠組みで「人間の安全保障」を研究したいか、どの教員の指導を受けたいかなどを考慮して、ひとつの専攻を選択してください。

Q17 指導してほしい先生に入学試験前に連絡して相談に乗ってもらうなどした方がよいのでしょうか。

連絡の必要は全然ありません。入学試験における公正性の観点から、入試説明会以外での個別の教員との個人的な接触は控えてください。

Q18 修士課程入試の専門科目ではどのような問題が出されるのですか。

当然のことですが、「人間の安全保障」に関する問題を出します。本プログラムで過去に出題された問題はこちらで閲覧できます。

また、修士課程入学試験過去問題集を、本郷キャンパス内の「東大教材出版」(03-3813-7389)または駒場キャンパス内の東大生協の書籍部で購入できます。

3. プログラムでの勉学:修士課程編

Q19 修士課程のカリキュラムはどのようになっているのですか。

カリキュラムは、「人間の安全保障」プログラムとして開講している授業と各自が所属する専攻が開講している授業とを各自の関心と目的にしたがってバランス良く履修できるように組まれています。授業科目は、こちらをご覧下さい。

修了には、所属専攻の科目12単位と「人間の安全保障」プログラムの科目14単位を含む30単位以上が必要です。専攻の科目には、指導教員の論文指導4単位(論文を提出する年度に履修)が含まれます。所属専攻で学問的専門性を培うとともに、「人間の安全保障」への取り組みを専攻の枠を越えて幅広く学んでください。

Q20 「人間の安全保障」の「現場」を理解することはカリキュラムにどのように組み込まれているのですか。

修士課程と博士後期課程に共通して実験実習の科目があります。現場の経験を実験実習の単位として認定することがあります。

Q21 修士論文の位置づけを教えて下さい。

このプログラムは、現場を知りつつ学問的専門性と学際的広がりとを兼ね備えた「人財」養成をめざしています。その意味で、修士論文は学術論文として価値がある内容が求められます。特に博士後期課程進学を希望している人は、そのような修士論文を完成させてください。

Q22 修士課程を修了するためには、修士論文が必要なのですか。

修士課程の修了条件としては、実は必須ではありません。本プログラムでは、「学位論文」(いわゆる修士論文)のほか、「特定の課題についての研究の成果」(以下「特定の課題」)を提出して、修士課程を修了というする方法もあるからです。単位の要件を全て満たし、「学位論文」または「特定の課題」を期限内に提出し、所定の審査に合格すると、「修士(国際貢献)」の学位が授与されることになります。ただし、修士号は同じでも、学位記の形式は「学位論文」と「特定の課題」とで若干異なります。

Q23 仕事を持っているのでなるべく早く修了したいのですが、1年間で修了可能ですか。

特に優秀な場合には1年間で修了することも可能です。そのためには、休職するなどして、授業に専念する必要があります。必修科目を履修し、修士論文かそれに匹敵するレポートや論文を完成させなくてはなりません。そして、何よりも成績が優秀であることが要件です。

4. プログラムでの勉学:博士後期課程編

Q24 博士後期課程のカリキュラムはどのようになっているのですか。

博士後期課程の修了には、20単位が必要です。博士後期課程は、博士論文の作成が最大の目標となります。もっぱら、その完成に時間を費やすことになるでしょう。

Q25 博士論文の指導体制はどうなっているのでしょうか。

個々の学生について、指導教員と研究課題に関連の深い他の教員2名の3人が指導委員会を構成して、論文指導にあたります。論文研究を本格的に始めるにあたってのプロポーザル・コロキアム、研究を実質的に終えた段階でのリサーチ・コロキアム、そして論文草稿を作成した段階でのファイナル・コロキアムという3回の公開審査会で進捗状況を確認しながら、学位授与まで集団指導にあたります。

Q26 博士後期課程は3年間ですが、3年目に博士論文を完成させなければなりませんか。

3年間で完成させることが、理想的です。ただし、東京大学では単位取得退学した場合でも、退学後3年以内に論文を提出すれば博士号(いわゆる課程博士)の取得が可能です。いずれにせよ、なるべく早く修了するのが望ましいことは、いうまでもありません。

5. その他

Q27 このプログラムに入学してから、所属専攻の通常のコースや他専攻に移籍することは可能ですか。

入試の要件、取得単位、修了時に取得する学位の名称が違いますので、プログラムと既設専攻の間の移籍はできません。なお、修士課程から博士後期課程に進学するときに、既設専攻の入学試験を受けることは可能です。

Q28 現在、各専攻に在籍する学生が、この新しいプログラムに移籍することは可能ですか。

認められません。修士課程から博士後期課程に進学するときに「人間の安全保障」プログラムを受験してください。

Q29 奨学金の制度はありますか。

このプログラムとして固有の奨学金制度はありません。日本学生支援機構の奨学金などに申請してください。

Q30 このプログラムを修了しても就職先があるかどうか心配です。

プログラムとしては特に就職の斡旋はしませんが、修了者には、「人間の安全保障」に関連する分野の実務や研究に従事している人々が多数います。また、「人間の安全保障」イニシアティブでは、大学外との連携を重視しています。実習やインターンシップなどを経験する中で、就職先を開拓してください。

Q31 同じ年度にこのプログラムと大学院総合文化研究科の既設専攻の両方を受験するという選択肢はありえるのでしょうか。

同時期に行われる入試への併願はできません。しかし、入試時期が異なる場合には、可能になります。たとえば、広域科学専攻修士課程入試と本プログラム修士課程一般入試、本プログラム修士課程社会人入試と文系4専攻修士課程入試などが可能な組み合わせです。また社会人は、本プログラム修士課程社会人入試と本プログラム修士課程一般入試を同じ年度に受験することも可能です。

Q32 既設専攻に入学して、「人間の安全保障」プログラムに所属している先生に指導を受けることはできますか。

可能です。プログラムに所属している教員は必ずどれかの専攻にも所属しています。本プログラムと既設専攻(分野)のどちらが自分のテーマにふさわしいか、十分に考えた上でいずれに受験するかを決めてください。