研究

グローバル地域研究機構3センターの発足

2010年4月から大学院総合文化研究科にグローバル地域研究機構(Institute for Advanced Global Studies, IAGS)が置かれ、そのもとで持続的平和研究センター、持続的開発研究センター、アフリカ地域研究センターという3つの研究センターが新たに発足しました。「人間の安全保障」に密接に関連したテーマを扱うこれら3センターは、教育プログラムとしての「人間の安全保障」プログラムの研究上の基盤となることが期待されています。発足間もない各センターですが、現在、本格的な研究活動へ向けた準備を進めているところです。今後の展開にご期待ください。

  • 持続的平和研究センター (センター長 : 佐藤安信) : 持続的平和とは、恐怖や抑圧によらず、将来世代にわたって個人の尊厳が最大限に尊重される、安定して調和した社会を追求する営みです。当センターでは、このような観点、および「人間の安全保障」という研究パラダイムから、平和概念の再定義を含む理論的・歴史的研究、言説分析、世界各地の紛争現場におけるフィールド調査やアクション・リサーチ、さらには平和理念やそのための政策の批判的検討などの研究活動を支援し、推進していきます。
  • 持続的開発研究センター (センター長 : 丸山真人) : 持続的開発とは、自然環境の劣化をもたらすことなく、将来世代にわたって生活の質を高めていく営みであり、「人間の安全保障」という研究パラダイムを構成する主要な概念の一つです。当センターでは、開発理念や開発政策に関する理論的・歴史的・批判的研究、世界各地の開発現場におけるフィールド調査やアクション・リサーチなどの研究活動を支援し、推進していきます。
  • アフリカ地域研究センター (センター長 : 遠藤貢) : 「アフリカの年」(1960年)から半世紀を経たアフリカは、現代世界の中で大きな転換点を迎えています。当センターの主たる目的は、変革期にあるアフリカ地域を人文科学と社会科学を交えた方法で研究していくことです。「人間の安全保障」という研究パラダイムを取り込みながら、現代アフリカにおける社会変容、政治変動、経済のダイナミズムをめぐる理論・実証研究、暴力的な紛争と国家形成に関する研究などを、フィールド調査や政策の批判的検討などを通して推進していきます。

寄付講座「難民移民(法学館)」の開講

2010年4月より、大学院総合文化研究科は新たに寄付講座「難民移民」を開講しました。同寄付講座は(株)法学館よりの寄付を受け、佐藤安信教授を代表として推進される教育・研究プロジェクトです。

初年度は「人間の安全保障」プログラムのいくつかの講義を寄付講座の講義としても開講することで、学内の一般学生の参加を促し、この分野における教育に貢献します。これと並行して各種のセミナーやシンポジウムを主催・共催するなどし、広く一般の方々にも開かれた教育の機会を提供することで社会貢献としても推進していく予定です。10月からの冬学期には東大全学の学部生を対象とするゼミナール(著名な人権弁護士をゲストスピーカーとする)も開講し、さらなる展開を予定しています。この他にも、難民支援に携わるNGOや専門家を招いての授業も予定されています。

来年度(2011年度)以降は、ディプロマコース(東京大学のリソースを用いて外部の参加者に講義を公開する枠組)を設定し、より一層の社会連携を進めていく予定です。

詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。また、報道発表資料(2010年4月6日)もご参考ください。

その他の研究プロジェクト

本プログラムでは、随時外部から研究資金を導入しつつ、所属教員が中心になって、上記以外にもさまざまな研究プロジェクトを遂行しています。以下は、過去のプロジェクトです。

  • 2009-2012年度 日本学術振興会科学研究費補助金 (基盤研究B)
    「未(非)承認国家をめぐる国際関係に関する学際的研究」 (代表者 : 中井和夫)
  • 2009-2011年度 文部科学省科学研究費補助金 (新学術領域研究)
    「国連の平和活動とビジネス:紛争、人の移動とガバナンス」 (代表者 : 佐藤安信)
  • 2009-2010年度 株式会社法学館との共同研究
    「研究と実践をつなぐ難民・移民に関するデータベース(CDR)の開発」 (代表者 : 佐藤安信)