第228回HSPセミナー 「刑事的アカウンタビリティの研究と国内警察改革現場から浮かび上がる、国連の抱える問題」
概要: | このセミナーは、講師の2つの経験、すなわち、イギリスの大学にて行った国連警察の刑事的アカウンタビリティについての研究と、国連人権高等弁務官事務所での主にネパールでの警察改革の経験を結びつけ、その2つから浮かび上がる国連の抱える根本的な問題について議論する。
1.国連の平和活動には、国連警察と呼ばれる警察部門がある。国連警察は国連加盟国の警察官が国連平和活動の要員となって平和活動の業務に従事するものである。国連警察は受入国の法の支配の確立に従事するものであるが、受入国にて犯罪を犯すことがあり得る。その場合、国連警察の警察官を刑事的に訴追するのに、国連のメカニズムは効率良く機能しているのか。実際のデータと内部機関の研究を下に分析する。訴追の障害となる可能性として挙げられる、管轄権と特権免除の問題は、果たして法的な障害となっているのか。国際人権法を用いて、国家と国連が重大な犯罪を訴追する義務についても検証する。
2.講師は国連人権高等弁務官事務所ネパール事務所において、ネパールの警察の改革、特に警察学校のカリキュラム改正を手がけていた。ネパールは主な国連警察の供給国の一つであり、ネパールの警察官にとって国連平和活動に参加することは名誉なことである。国連が警察官の供与において頼るネパールでは、警察官はどのように研修され、国連平和活動に参加する人員はどのように選抜されているのか。 この2つを通じて浮かび上がるのは、刑事的アカウンタビリティや国内の警察改革という枠を超えた、国連の抱える根本的な問題である。共通して浮かび上がる問題を提起する。
質疑応答・ディスカッションの時間を設ける。
※このセミナーは公開で事前登録も不要です。直接会場へお越しください。 |
日時: | 2017年 4月26 日(水)18:45 - 20:15 |
場所: | 東京大学駒場キャンパス 18号館 コラボレーションルーム1 |
講師: | キハラハント 愛 (東京大学 准教授) |
司会: | 佐藤 安信 (東京大学 教授) |
言語: | 日本語 |
資料: | 当日配布予定 |
主催: | 東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム (HSP) |
共催: | グローバル地域研究機構 (IAGS) 持続的平和研究センター |
2017.3.15