HSP Seminar#195 “Human Security and Business” Series No. 2: Responsibility of a pharmaceutical corporation of access to essential medicines: What makes a corporation decide to act beyond compliance?

概要: エイズが歴史の舞台に登場した1981年から約15年の間、エイズは死の病として世界中で恐れられてきた。しかし1990年代後半にエイズ薬の有効性が確立されると、エイズ対策における南北の格差が浮き彫りとなった。先進国では有効な薬剤療法によってエイズが死の病から慢性疾患へと変化するなかで、途上国では貧しい人々がエイズ薬を入手できない、いわゆる「エイズ薬アクセス問題」が論争の的となった。2001年3月、エイズ薬「d4T」の販売権を持つ米国の大手製薬企業Bristol-Myers Squibb社は、南アフリカではd4Tの特許を行使せず、他の企業にジェネリック薬の製造を許可すると発表した。なぜ、どのようにして、企業の利益に反するように見えるこの決断がくだされたのだろうか。本セミナーでは、製薬企業とアメリカの大学との産学連携(その特徴と制度的背景)に注目してこの事例を議論する。この事例分析により、エイズ薬アクセス問題に関与しているアクター(問題に責任を持っているのは誰なのか)を再検討するとともに、グローバル・イシューに影響を与え得る重大な企業行動の変化がどのような状況下で生じるかを、関係企業実務者を交えて検討する。

日時:2015年7月3日(金) 18.30 – 20.00(午後6時半から午後8時まで)

場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーション4

講師:

鈴木麻央(一橋大学大学院法学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員DC/ANU客員研究生)

コメンテーター:

光明宏之 (ブリストル・マイヤーズ株式会社 法務部長)

有馬覚 (第一三共株式会社CSR部 主査)

北島敬之 (ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役)

司会: 佐藤安信(東京大学教授)

主催:東京大学グローバル地域研究機構持続的平和研究センター、NPO法人「人間の安全保障」フォーラム(HSF)、人権デューデリジェンス研究会

後援:同機構持続的開発研究センター健康と「人間の安全保障」プロジェクト、同アフリカ研究センター、国連グローバル・コンパクト日本ネットワーク