【関連告知】講演「イスラエル・パレスチナ紛争を理解するための5つの枠組み」

タイトル 講演「イスラエル・パレスチナ紛争を理解するための5つの枠組み」
概要 ハマスによる2023年10月7日の攻撃と、それに続くイスラエルの反撃は、大きく異なる解釈を生んでいる。これらの出来事の政治性や道徳性だけでなく、何が起こったのかという基本的な事実についても、人々の意見は分かれている。こうした意見の相違は、根本的に異なる解釈の枠組を反映している。イスラエルとパレスチナの長年にわたる対立を学問によって解決することはできないが、少なくとも、そこから生じた認識論的な課題には取り組まねばならない。そのため、本講演ではイスラエル/パレスチナ対立を把握するために現在用いられている5つの異なる解釈の枠組を類型化して概説する。すなわち、シオニズム、ポスト・シオニズム、リベラル人道主義、入植者植民地主義、そしてマルクス主義である。それぞれの本質的な要素(鍵概念、テキスト、時間的参照点、物語、暗黙の目標)を概説した後、今日のイスラエル・パレスチナ紛争解釈の主流をなしているシオニズムとリベラル人道主義との対立は、現在の危機に対処するには不十分であることを指摘する。したがって、一般的に最も採用されていない枠組、すなわちマルクス主義の再評価が必要になる。
日時 2024年6月20日(木) 18:00 – 19:30
場所 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
同時配信予定(要事前登録・下記「オンライン申込」参照)
講師 ジョエル・ウェインライト(オハイオ州立大学)
コメンテーター 鶴見太郎(東京大学)
言語 英語(通訳なし、質疑のみ日本語も可)
オンライン申込 申込先
同時配信予定(要事前登録
備考 ジョエル・ウェインライト(Joel Wainwright):オハイオ州立大学地理学部教授。地理学に携わるかたわら、ポストコロニアリズムとマルクス主義の立場から、開発の政治経済/環境・農業の変化/社会理論などを専門テーマとして、多くの論考・発言を行なう理論家であり、ベリーズの森林伐採への対抗運動、農業開発によって奪われた先住民の土地奪還運動などに関わるパルチザンでもある。ジェイムズ・M・ブロート賞を受賞した主著である本書Decolonizing Development: Colonial Power and the Maya (2008) のほかに、Geopiracy: Oaxaca, Militant Empiricism, and Geographical Thought (2012)、Climate Leviathan (2017、共著)、Rethinking Palestine and Israel: Marxist Perspectives (2019、編著)などがある。日本語訳に『脱植民地的開発──植民地権力とマヤ』(インスクリプト、2024年)、『気候リヴァイアサン──惑星的主権の誕生』(堀之内出版、2024年)がある。

問合せ:吉国浩哉(東京大学、yoshikuni@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

東京大学 大学院総合文化研究科
「人間の安全保障」プログラム(HSP)

           

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